私たちは普段、様々なことを考えながら生活しています。
その中で、「考え方のパターン」が習慣のように繰り返されることがあります。
これを心理学では「認知のゆがみ」や「思考のクセ」と呼びます。
このうち、思考のクセは誰にでもあるものですが、これに気づかないまま作用すると、日常生活に大きな影響をもたらし、心の負担が大きくなってしまうのです。
よくある思考のクセ
・白黒思考
「上手くいった」、「失敗したからダメだ」などと、物事を極端に捉えてタイプ。
例:一度ミスをしたから私はダメな人間だ。
・過度の一般化
ひとつの出来事から全体を決めつけてしまうこと。
例:プレゼンが上手くいかなかったから、評価があがることはもうないだろう。
・心を過度に読む
相手の気持ちを常に憶測し、実際とは異なる物事も決めつけてしまうことでどんどん不安を大きくしてしまう。
例:いつもより笑顔が少ないから、あの人に嫌われたにちがいない。
・「~すべき」思考
一つのことに囚われ、他人や自分に厳しいルールを課すこと。
例:休んではいけない、完璧にやらなくちゃいけない。
思考のクセに気づき、緩める方法
- メモや日記などに自分の思っている考えを書き出す。
自分でもまだ気づいていない決めつけやルールが隠れていることがあります。
些細なことでもいいので書き出してみましょう。 - 自分が思っていることは本当に正しいのか、自問してみる。
メモに書き出したこと、こうに違いないと思ってきたことでも、本当にそうなのか?と立ち止まってもう一度考えてみましょう。 - 信頼できる人に話して意見を聞く
どうしても自分だけだと偏った思考になりがちです。信頼できる人話して、他人の考えや意見を知ることも偏った考えになることを防げます。 - トリガー(引き金)となる出来事を特定する
過度の一般化で行動を決めつけてしまう時や、不安になってしまう状況を特定することで、行動と感情を予測して動くことができます。
まとめ
思考のクセは誰にでもある、ごく自然な脳の仕組みでもあります。
しかし、限度を超えてしまうと自分を苦しめることになってしまったり、日常生活や、対人関係にも大きく影響してしてしまうことがあります。
まずは自分自身の思考パターンを知ることから始め、柔軟な考えを取り入れていくことで、改善していくことが可能です。
「完璧」を求めることを少し緩めてみたり、「失敗」に囚われすぎないことで、心を少しずつ軽くしていくことを心がけてみましょう。

