何をやるにも、完璧じゃないと気が済まない。
ちょっと上手くいかなかったら自分を責めて、一人反省会をしてしまう。
『完璧主義』は一見、真面目や努力家と思われることもありますが、自分を縛って苦しめてしまう厄介な一面もあります。
この記事は、次のような悩みを持つ人に役立つ記事となっています。
- 完璧主義をやめたい
- 完璧主義の手放し方を知りたい
- 自分が本当に完璧主義なのか分からない
まずは自分自身の考え方や思考のクセに気づき、完璧主義を少しずつ手放すことで、心を少しでも軽くしていけるための参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後まで読んでみてください。
完璧主義とは?
このように、過剰な基準や期待を自分や他人に課す考え方や思考のクセのことを指します。
さらに心理学では、完璧主義には「健康的な完璧主義」と「不健康な完璧主義」があるとされています。
適度な目標を持ち、自己改善をしながら努力を楽しめるタイプ
少しのミスで自分を責め、自己否定やストレスを招きやすいタイプ
健康的な完璧主義では、自分の成長のために努力ができ、物事を前向きに捉えることができます。
しかし、不健康な完璧主義ではどうでしょう?
小さなミスも許せない上に、自分自身を責めて自己否定を繰り返してしまいます。このような状況になってしまうと、自分で自分を縛り付けてしまい、ストレスが溜まってしまいます。
ではいったいどのようにすれば完璧主義を手放せるのでしょうか。
完璧主義を手放す方法
1.完璧主義は悪いものではないと知る
先ほどお伝えしたように、健康的な完璧主義を目指すことを心がけましょう。自分の中での完璧を目指せば、人の評価も気にしないで済むはずです。おすすめは合格ラインを60%にすることです。半分より少しできれば合格!くらいがちょうどいいのかもしれません。
2.【失敗は悪いこと】という思い込みは避ける
完璧主義の一つに、失敗をしたら終わりという思い込みがあります。
これによって強い不安を持つことになったり、自分自身にプレッシャーを与えることになります。
失敗することは次に繋げるための経験値になるので、必要不可欠なのです。
実際、どんな名の知れる成功者であっても、一度は失敗をしています。肝心なのは今回の失敗をどう活かすかが成功への近道になるのです。
3.これくらいで十分という感覚を身に着ける
完璧主義の人は100%じゃないと意味がない、価値がないと感じやすいことがあります。
しかし、完璧な人間がこの世に存在しないように、完璧を求めることは理にかなっていないと言えます。
例えば、家事、仕事、遊び、あなたは全てのことを完璧にこなしていますか?
これらをすべて完璧にしようとした場合、おそらく24時間では足りないはずです。理想を求めたくなりますが、現実的な合格ラインを考えてみましょう。
4.今できるベストを尽くす
完璧を目指すには、その道に合った知識や知恵、失敗からの学び、様々な要素や力が必要です。
プレイングゲームで表すとすれば、初期の武器でラスボスを倒そうとしているくらい無謀なことだと思ってみてください!今ある武器(知識)で目の前にある目標に向かうことが最善といえるのではないでしょうか。

自分に合った合格ラインを引いてみよう
完璧主義の特徴
1.自分に対して高い目標や基準を持つ
完璧主義の人は自分に厳しく、「これくらいできれば十分」といった妥協が苦手です。
常に完璧を目指しているので、「もっとできるはず、これじゃ足りない」などと自分を否定してしまいがちです。これが自己否定につながり、どんどん自分を苦しめていくことになります。
2.自分への厳しさを人にも求めてしまう
「完璧であらなければならない」といった強い思いが度を越してしまうと、今度は周りの人へも同じように完璧を求めてしまうようになります。そうすると、他人の小さなミスも許容できなくなり、他人が思い通りになってくれないことでストレスを感じやすくなります。
また、完璧を求められる周りの人からもヘイトを買うことになり、人間関係が壊れやすくなってしまいます。
3.長所より欠点が目につきやすくなる
完璧を求めるあまり、できたことよりも、できなかったことに目を向けてしまいがちです。できた数の方が多いにもかかわらず、少ない失敗を引きずってしまうのは完璧主義の傾向にあると言えます。
欠点に目が行くことが多いと、達成感や満足感を感じにくくなってしまいます。そうすると、自己否定や自己嫌悪につながる恐れもあるので注意が必要です。
4.物事を先延ばしにする
失敗を恐れるあまり、物事に取り掛かるのに時間がかかることがあります。「完璧にしなければならない」という考えに縛られすぎると、やらなければいけないことを後回しにして回避してしまいます。
ここまでは完璧主義の特徴をお伝えしました。当てはまった人も多いのではないのでしょうか。
では、次の項目では「完璧主義になってしまう主な理由」について書いていきます。あなたが子供のころに育った環境が関係しているかもしれません。
なぜ完璧主義になってしまうのか
幼少期の条件つきの愛情
子供のころに愛された経験を思い出してみてください。
「いうことを聞いたら褒められた」「親の言いなりになったら褒められた」「テストで100点を取った時だけ褒められた」
このような経験が、完璧主義になるきっかけにつながるのです。
このように感じたことはありませんか?
「完璧でないと愛されない」「親に喜んでもらうために、完璧にしなければならない」「ミスをしたら愛されない」
上のような感覚を持ったまま大人になってしまうと、考えの修正は難しく、自分を苦しめることになってしまいます。

筆者は98点を取っても褒めてもらえませんでした。。。
承認欲求と自己肯定感の低さ
完璧主義の人ほど周りからの評価に敏感です。
特に近くにいる人からの評価には影響されやすく、人に認められることで安心感を得ています。
これが続いてしまうと、人からの評価=自分の価値になってしまいます。
すなわち、完璧に物事をこなすことが、自分が認められるための手段になってしまうのです。
自己肯定感の低さゆえに、他人の反応で自己価値を決めてしまいます。
自己防衛からの不安によるもの
完璧主義は、「失敗をすると責められる。自分が傷つく。」といった恐怖心を抱いています。その恐怖心を抑えるのが自己防衛です。
完璧にこなすことで失敗や、周りからの悪い批評を避けようとしています。
これは心理学では【防衛機制】といって心が傷つくのを防ごうとする無意識の働きです。つまり、完璧主義は傷つくことから身を守る、防衛手段とも言えます。
悪いイメージがある「完璧主義」ですが、自分を守るための手段でもあったのです。
完璧主義を手放すと得られるメリット
同じ完璧主義でも、健康的な完璧主義を目指すことを心がけましょう。
速く行動することができる
自分の中での合格点を決めることで、100%の完璧を求めなくなります。また、合格点を低くすることで物事に取り掛かりやすくなり、自然と行動が速くなります。
失敗を恐れなくなる
失敗も自己成長につながることが分かると、いろいろなことにチャレンジしやすくなります。失敗したことの評価=あなたの評価という思考を減らしていくことで、他者に評価を委ねる必要がなくなります。
自分らしく生きることができる
健康的な完璧主義を目指すことで、基準が自分になり、周囲との比較がなくなります。人との比較が減ることで、自己成長に集中し、ステップアップすることが出来ます。
筆者もかつて、自称【完璧主義】でした。厳しい親の元に育ったため、肯定される機会があまりなく、常に評価は他人基準で過ごしてきました。
しかし、【今あるベストをつくす】ことを心がけて行動することで、完璧主義の呪縛から少しずつ解放されていきました。
この記事が【完璧主義】で苦しんでいる人の解決の糸口になれば光栄です。
まとめ
この記事では、完璧主義について書いてきました。完璧主義を手放すのは容易ではありませんが、以下の4つのポイントを意識して、取り組んでみてください。
完璧じゃなくても大丈夫と自分に言い聞かせたり、不安を取り除くことがなによりも大切です。
そして、自分を否定しないこと。「不安に思っていたんだな」「失敗するのは怖かったよね」などと自分に優しく声をかけることが重要です。今の自分を受け入れながら、少しずつ完璧主義を手放していきましょう。完璧主義を手放して、自分らしく生きれるようになると、今よりもっと人生が豊かになるかもしれません。

