私たちは毎日たくさんのことを見て、聞いて、感じています。
しかし、そのすべてを覚えているわけではありません。
では、「記憶に残ること」と「忘れてしまうこと」の違いは何でしょうか?
今回は人間の記憶がどのように作られるのかを、できるだけわかりやすく紹介します。
記憶の作られ方
- 記憶の登録(インプット)
まずは、見たり来たりした情報を脳に入れること。これはカメラで写真を撮るようなものです。 - 記憶の保存(ストレージ)
インプットした情報を、脳の中にしまっておくこと。これは写真をスマホに保存するような感じです。
ただし、保存の仕方にはいろいろあって、重要だと感じた情報ほど、しっかり保存されやすいです。 - 記憶の呼び出し(リトリーバル)
しまっておいた記憶を思い出すこと。これはスマホのアルバムから写真を探して表示するようなイメージです。
記憶はどこにしまわれるの?
人間の脳の中には、記憶をつかさどる「海馬(かいば)」と呼ばれる部分があります。
ここが、短期記憶を長期記憶に変える重要な役割をしています。
例えば:
・テストの問題を一夜漬けで勉強して覚える→短期記憶
・自分の名前や住所をずっと覚えている→長期記憶
海馬が、「これは重要だ」と判断した情報は、ほかの脳の部分(大脳皮質)に長期保存されます。
どうやったら記憶に残りやすくなるの?
人間の記憶は、「意味がある」「感情が動いた」「繰り返した」情報ほど残りやすくなっています。
記憶に残りやすくするコツ:
・何かと関連付ける(例えば、友達の誕生日は七夕の近くだ、など)
・感情を動かす(楽しかった、驚いた)
・何度も復習する(繰り返すことで記憶に残りやすくなる)
・五感を使う(見る、聞く、書いて覚える)
忘れてしまうのはなぜ?
実は、「忘れる」ことも人間にとって大切な機能です。
もしすべてのことを覚えていたら、私たちの脳はパンクしてしまいます。
覚えておく価値が少ない情報は、脳が自動的に消去したり、記憶の引き出しが上手く開かなくなったりするからです。
まとめ
記憶は「感情」と「繰り返し」がカギ!
記憶は単なる情報の保存ではなく、感情や意味づけ、習慣と深く関わっています。
だからこそ、大切なことは心を動かしながら、何度も思い出してみると記憶に残りやすいのです。
「記憶力が悪い」と感じている人もいるかもしれませんが、覚え方や感じ方を工夫すれば、だれでも記憶力を伸ばすことが出来ます。
人間の脳は想像以上にすごい能力をもっているのです。

